問いの提示
リーダーとして「誰かの役に立てているか」を問い続けるのは大切だ。
しかし、そこにはもう一つの問いが隠れている。
「その“誰か”とは、一体誰のことか?」
複数の「誰か」との葛藤
部下のことか、上司のことか、顧客か、あるいは自分自身か。
立場や状況によって“誰か”の輪郭は変わる。
例えば、会議室で上司の期待と現場の現実がぶつかるとき、あなたの頭の中には複数の「誰か」が同時に浮かんでいるはずだ。
どの声に耳を傾け、どの声を優先するのか――それを決めるのは、リーダーとしてのあなたの役割だ。
正解はないが、立ち返る原点がある
この問いに対して、明確な正解はない。
ただ、迷ったときに何度も立ち返るべき原点がある。
それは、チームの目的だ。
組織に属している以上、あなたは何かしらの目的や成果に向かって、誰かとともに動いている。
「誰か」は目的の実現に関わる人々であるべき
だから、「誰か」とは単なる“好かれたい相手”ではなく、目的の実現に関わる人々であるべきだ。
時には部下のために判断し、時には顧客の期待を優先し、時には組織の長期的なビジョンを選ぶ。
その都度、焦点を合わせ直すことが、リーダーの柔軟さであり責任でもある。
主観は関係性の中で研ぎ澄まされる
リーダーの主観は、こうした「誰か」との関係性の中で研ぎ澄まされていく。
「誰か」とは、あなたが自分の主観を向け、行動をつくる焦点だ。
読者への問いかけ
チームの目的達成のためにあなたは誰の役に立つことが必要でしょうか?
次章予告
次章では、リーダーとしての判断や行動が評価や信頼とどう結びつくか、より深く考えていきます。