「せいぜいこれぐらい」では人は動かない
「せいぜいこれぐらいかな」――そんなふうに立てた目標に、誰がワクワクするだろうか。
少なくとも、私はしない。
目標はやる気の源だ。
「これを達成したら、自分たちは何かを変えたと言える」
そう思える目標があるから、人は意欲的になる。
作業目標では心が動かない
既存のやり方の延長線でできる範囲の“作業目標”では、日々の仕事に腰が入らない。
実際、部下から出てくる目標案は慎重なものが多い。
- 去年の取り組みを継続します
- 相手があるので、無理な目標は立てられません
- 評価に影響するので、確実に達成できる目標にしておきたいです
その気持ちはよく分かる。誰だって失敗したくないし、数字でマイナスを背負いたくはない。
リーダーが求めるのは挑戦の意思
だが、今の私が見たいのは「挑戦の意思」だ。
成功する保証がなくても、「これができたら価値がある」「今の自分たちを超えられる」――そう思える目標。
ストレッチした目標には、現場に思考の突破力を生む力がある。
だから私は目標設定時にこう問う。
「目標の高さに遠慮するな。もう一段、上げられないか?」
達成の鍵は“どうすればできるか”
もちろん現実的な制約はある。
だがリーダーの役割はそれを承知したうえで、“どうすればできるか”を一緒に考えることだ。
- 相手と関係を深めるアプローチを変えられないか
- 社内の連携の仕組みを見直せないか
- ツールや時間の使い方を工夫できないか
- 規則やルール自体を見直せないか
こうした問いを共有することで、目標は「言わされた数字」ではなく、「自分たちの挑戦」に変わっていく。
挑戦を評価する文化をつくる
部下が安全圏で目標を決めようとするのは、評価への恐れからだ。
だからこそリーダーは言葉で明確にする必要がある。
「挑戦した結果、どこまで迫れたかを評価する。」と。
目標は未来への宣言
目標とは、未来への宣言だ。
宣言が小さければ、変化も小さい。
チームメンバー個々の目標を底上げすることで、初めてチーム全体の前進をもたらすことができる。
読者への問いかけ
①目標は「確実にできる範囲」ではなく、挑戦を伴う設定になっているか。
②部下に「もう一段上げられないか?」と問う文化が根づいているか。
③達成のために、やり方・連携・ツールを見直す議論が行われているか。
④評価は「挑戦した過程」も含めて行うと明示しているか。
⑤目標を「やらされ仕事」ではなく「自分たちの挑戦」として共有しているか。
次章予告
次章では、目標を立てた後のリーダーの役割についてその基本をお話しします。

