物事は「誰かが決める」ことで動き出す
「どんな場面でも“誰かが決める”ことから物事は動き出す。」
これは、私が中間管理職としての経験の中で強く実感してきたことだ。誰かが腹を括って方向を示し、判断する。それがなければ組織は前に進まない。
リーダーの役割はまさにそこにある。意思決定という行為を通じて、チームに進むべき道を示し、現実を動かしていくことだ。
「決める」ことの重み
だが、この「決める」という行為は思っている以上に重たい。なぜなら、それは何かを選ぶことと同時に、何かを捨てることだからだ。そしてその選択には、結果への責任が伴う。
私自身も、情報が足りず先行きが見えない中で決断を迫られたことが何度もある。会議室で「課長、どうしますか」と視線が集まる。黙っていては進まない。だが決めた瞬間から、その結果は自分に返ってくる。その重みを感じて、胃の奥がきゅっと痛くなったことをよく覚えている。
覚悟を持って決断する
それでも、誰かが決めなければならない。だからこそ、リーダーには覚悟が求められる。勇気を持って決め、結果が出るまでやり抜く。その責任を引き受けるということだ。
特に中間管理職は、決めたことを上司に説明し、理解と同意を得なければならない立場にある。決定権はあるが、自由に振る舞えるわけではない。判断の根拠や筋の通った説明ができなければ信頼は得られない。ここは、まさにサラリーマンとしての勝負所だ。
判断の軸は「組織の目的」
だからこそ、ここでも立ち返るべきは「組織の目的」である。
- 「この決定は、組織の存在理由に照らして正しいのか」
- 「この選択は、実質的な価値を生むのか」
そこに確信が持てれば、どんなに難しい判断でも迷わずに進める。
第3部のテーマ
第3部では、この「決める」という行為について、リーダーの立場からあらためて考えていきたい。責任ある判断とはどういうことか。そのためにどんな準備や姿勢が求められるのか。リーダーの醍醐味、そして重さに、現場感覚を持って向き合ってみよう。
読者への問い
- 最近の判断を、組織の目的に照らして説明できますか?
- 決断に伴う責任を自分で引き受ける覚悟がありますか?
- 判断を先延ばしせず、必要なタイミングで決められましたか?
- 上司に説明できるだけの根拠を持って判断しましたか?
- 選択肢のメリット・デメリットを十分に考慮して決めましたか?
次章予告
次章では、「決める前に立ち止まる」という、判断に不可欠な姿勢について考えていきます。


