第三部 決断する力 第25章 上司の意図を先回りする

決断する力

孤立して考えない

リーダーとして判断を下すには、当然、自分の頭で考えることが求められる。
だがそれは「孤立して考える」こととは違う。

特に中間管理職にとっては、「この決定を上司がどう受け止めるか」を常に意識しておく必要がある。

上司のクセをつかむ

私は日ごろから、上司の言動や判断のクセを観察し、できるだけ事前に意図を汲んでおくことを心がけてきた。

  • 何を大事にする人なのか
  • どんなリスクに過敏なのか
  • どういう説明だと納得しやすいのか

これをつかんでおけば、自分が判断するときの軸がぶれない。これは、私が中間管理職として最も大事にしてきた「隠し技」のようなものだ。

承認前のすり合わせ

たとえば、上司に正式な承認を取る前に、大まかな方向性をすり合わせておく。

「この件、A案で進めようと思っていますが、何か懸念ありますか?」

軽く聞いておくだけでいい。

すると、チームに戻ってから自信を持って「この方向で行こう」と言えるし、後の報告でも要点を押さえた説明ができる。

「これはこういう事情で、こう判断しました。あのとき伺った懸念点については、こう対応しています」──そう報告できれば、すっと通る。

信頼は地道な準備から

上司が二つ返事で了承してくれると、部下の目が変わる。
「さすが課長。あの気難しい部長がすぐに賛同するとは!」といった評価につながることもある。

リーダーとしての信頼や判断力は、実はこうした地道な準備と読みの力に支えられている。
派手さはないが、この“先回りの技”ができるかどうかで、チームの動きやすさも成果も大きく変わってくるのだ。


読者への問い

  1. 上司の言動やクセを観察し、事前に意図を汲んでいますか?
  2. 事前に大まかな方向性を確認しておく習慣がありますか?
  3. 上司に説明する際、要点を整理して伝えられましたか?
  4. 判断の軸が上司の意図とずれないよう配慮しましたか?
  5. 先回りの準備でチームの動きを円滑にできましたか?

次章予告

次章では、リーダーに不可欠な「どこまで自分で決めていいのか」という裁量の見極めについて考えます。が、その前にコラムを一本挟みたいと思います。

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