リーダーの裁量は単純ではない
リーダーになれば、決裁権限の範囲はすべて自分の判断で進められる――。
そう言いたいところだが、実際はそう単純ではない。
中間管理職には「どこまで自分で決めていいのか」を見極める力が求められる。
即断の誘惑とリスク
チームメンバーから相談を受けると、その場で即断したくなることは多い。
しかし、それが会社の方針や予算に関わることなら、勝手に動くのは危うい。
逆に、細かな日程調整や進め方まで、いちいち「上に確認します」と繰り返すのでは、部下からは頼りなく映り、上司にとっても負担になる。
判断基準は「上司の関心領域」
この微妙な境界を見極める基準は、結局のところ上司の興味関心だ。
私は日ごろから、「上司が関心を持つ領域」「敏感に反応するポイント」「逆に口を出さない部分」を観察している。
すると自然に「自分に与えられている決定権のグラデーション」が見えてくる。
決定権のグラデーション
たとえば、チーム内の進め方や小さな調整は任されている。
しかし、大口顧客や他部門を巻き込む案件は必ず上司と握ってから進める――。
そんなラインが、自分の中で徐々に地図のように描かれていく。
判断の一呼吸
大事なのは、日ごろの観察に加えて、判断のたびに「これは自分だけで決めていい範囲か?」と立ち止まることだ。
そして、迷うときには前章で触れたように、事前に一言だけ伝えておく。
それだけで、リーダーとしての判断はぐっと洗練される。
読者への問い
- 自分に与えられた決定権の範囲を理解していますか?
- 上司の関心領域を観察して、判断の境界を把握していますか?
- 細かな調整は自分で進め、大きな案件は相談する基準を持っていますか?
- 判断前に「自分で決めてよい範囲か」を確認していますか?
- 裁量を誤らず、チームと上司にとって最適な決定ができましたか?
次章予告
次章では、判断に迷ったときに「丸投げしない相談」をする方法を確認しておきたい。

