第三部 決断する力 第28章 うまくいかないとき、どう構えるか

決断する力

案が通らない場面で必要なこと

どれだけ丁寧に検討した結果でも、上司に案が通らないことはある。
チームメンバーの実感と経営の判断がぶつかることもある。

そんな場面で必要なのは「揺れない態度」だ。
リーダーが感情で揺れると、チームは一気に不安定になる。

「時間を稼ぐ」のではなく「設計する」

即断が不要な局面なら、こう言えばいい。

「いったん持ち帰って整理します。〇日までに、目的に沿う裁定案(A/B比較)を出します。」

これは単なる“時間稼ぎ”ではなく、再提案の“設計”につなげるための一言だ。

再提案の組み立て手順

持ち帰ったら、次の順で整理し直す。

  1. 目的の再確認(何を実現したいのか)。
  2. 制約の明文化(上司の懸念・条件、外部要因)。
  3. 現場の実情(リソース・リスク・数字)。
  4. 選択肢の設計:A(最短)、B(安全)、C(条件付き可)。
    • メリット/リスク/必要支援を1枚にまとめる。
  5. 一次情報の添付(原データ・原文・担当者コメント)。

チームへの説明も忘れない

同時にチームには上司からの注文を踏まえた説明と指示を出す。

「方針は未確定/上司の論点はここ/こちらはA・Bで再提案、◯日までに返答を得る。今日はこの準備を進めてほしい。」

こう伝えることで、不安を最小限に抑えつつ動きを止めない。

その場で使える言い回し

板挟みの場面では、口癖のように使える表現を持っておくと役立つ。

  • 「目的に照らして組み直します。」
  • 「条件が満たせば実行可という形で提案します。」
  • 「ここまでは即実行、ここからは承認後で分けます。」

「構える」とは動きを止めないこと

構えるとは、止まることではない。
目的を軸に、制約を可視化し、再提案の道筋と期限を示すことだ。

これこそが、板挟みの場面でチームを守りつつ前に進める最短路になる。

読者への問い

  1. 判断が通らなかったとき、感情的にならず対応できましたか?
  2. 「持ち帰り」「期限付き再提案」「A/B案」の三点セットを準備できますか?
  3. 制約や条件を整理して再提案できましたか?
  4. チームに現状を正確に伝えられましたか?
  5. 再提案時にメリット・リスクを明示できましたか?

次章予告

次章では、経営層と現場の板挟みの中で、どうやってチームを動かすのかを掘り下げます。

当ブログは、社長ー役員ー部長ー課長ー係長ー係員の階層のうち、
主として課長職にあるチームリーダーの役割を想定して記述しています。
ぜひ、これからリーダーを目指す方に知ってほしい
基本的な考え方や実践のヒントを盛り込んでいます

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