決断から実行へ ― 作業に翻訳する
決断を実行に移すには、ただ「やろう」と言うだけでは足りない。
チームが動けるようにするためには、具体的な作業の形にまで“翻訳”することが必要だ。
リーダーの頭の中には「こういう結果を目指したい」というイメージがある。
しかし、それを共有し実行に移すには、「誰が・何を・いつまでに」やるのかまで落とし込む必要がある。
期限と具体性 ― 作業が止まらないための2つの条件
ここで欠かせないのが次の2点だ。
- すべての作業指示には「期限」をつけること
- 「抽象的な言葉を避ける」こと
この2つが欠けていると、仕事はほぼ確実に止まるか、誤った方向に進んでしまう。
- 期限がない依頼 → 「急がなくてよい」と解釈され後回しにされる
- 抽象的な依頼 → 何をやればいいか伝わらず、結局動かない
指示を刻む ― チームが動きやすくなる工夫
たとえば「来月中にサービスの改善案をまとめる」だけでは、ほとんど動き出さない。
そんなときはこう刻む。
「○日までに各メンバーから課題を3点ずつ挙げてもらい、○日に集約して全体検討する」
こうしてスケジュールを細かく区切って指示することで、チームは動きやすくなる。
「うちのメンバーは動きが悪い」と嘆く前に、リーダーが設計を工夫することが先だ。
誰に・何を・いつまでに ― リーダーの難題
とはいえ、「誰に・いつまでに・何を任せるか」を決めるのは簡単ではない。
- メンバーの力量
- 抱えている仕事の量
- そのときのコンディション
これらを見極めないと、無理な負荷をかけたり、逆に力を活かしきれなかったりする。
リーダーにとっては日々頭を悩ませる作業だ。
だが、この「作業の具体化」がなければ、進捗管理もトラブル対応もできない。
実行力とは「行動させる力」
実行力とは、ただ自分が行動する力ではない。
チームを行動させる力だ。
そのためには、リーダーが「実行可能な作業」へ導き、自然とチームが動ける設計を作ることが欠かせない。
決断の力と実行の力――このふたつをつなぐのが、「作業に落とす力」である。
決断を実行可能な作業に翻訳するための読者への読者への問い
- 指示に「誰が・何を・いつまでに」が明確に入っているか
- 抽象語(検討・調整・対応)だけで指示していないか
- 期限のない依頼を無意識に出していないか
- 作業の区切りが進捗確認できる粒度になっているか
- 作業化によって進捗の見える化ができているか
次章への予告
次章では、チームに役割を割り振るにあたり、メンバーと共有すべき「アレ」について考えます。

