第四部 決めたら、動かす 第36章 任せるとは、目的を共有すること

実行とチームマネジメント

「作業を振る」と「任せる」は違う

決断を実行に移すとき、リーダーは一人で動いてはならない。
チームメンバーに役割を割り振り、成果に向かって全体を動かすことが必要だ。

そのために大切なのは、単に「作業を振る」ことではない。
本当の意味での「任せる」ことだ。
そして「任せる」とは、相手に目的と背景を理解してもらうことにほかならない。

最初の打ち合わせで確認すべきこと

新しいプロジェクトや仕事を始める際、私は最初の打ち合わせで必ず次のことを確認している。

  • この仕事の背景にはどんな経緯があるか
  • 何を目指していて、その目的は何か
  • 誰向けのアウトプットなのか(経営層か現場か、社内か社外か)
  • 期待される成果のイメージはどのようなものか

これらを共有しないまま作業を任せても、期待と現実がズレるのは当然だ。
本人も「正解がわからない」まま進めることになり、手戻りややり直しが増える。

任せたつもりでも「こんなつもりじゃなかった」となるのなら、それは任せていなかったのと同じである。

目的共有がもたらす安心感

特に若いメンバーや新しいプロジェクトでは、まず目的を共有し、次に進め方を擦り合わせる。
ここに時間をかけることで、その後は安心して任せられるようになる。

目的が明確であれば、手戻りや確認の手間が減り、最終的にはリーダー自身の負担も軽くなる。

任せ方に表れるリーダーの成熟度

任せ方には、リーダーの成熟度が表れる。

  • 丸投げはしない
  • 細部まで管理しすぎもしない
  • 方向と目的を共有したうえで実行を任せる

このバランスを取れるかどうかが、リーダーの力量を示す。

丸投げではなく「理解した任せ方」をするための読者への問い

  1. その仕事の背景や経緯を説明してから任せているか
  2. 何のための仕事かを、相手が自分の言葉で説明できるか
  3. アウトプットの想定読者を共有しているか
  4. 期待する成果イメージを最初にすり合わせているか
  5. 初期説明に時間を惜しまず使えているか

次章への予告

次章では、メンバーへの仕事の割り振りの際に、何を重視しているかについて考えます。

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