第四部 決めたら、動かす 第37章 任せる相手をどう選ぶか

実行とチームマネジメント

任せる力がリーダーに必要な理由

チームで動く以上、リーダーには「人に任せる」力が求められる。
しかし、やみくもに誰かに振ればよいというものではない。
任せるからには、目的を達成するために適した相手を選ぶ必要がある。

重視すべき2つの視点

誰に任せるかにおいて私が重視するのは、次の2点である。

  1. その人の能力
  2. その人の状況

能力

経験や専門性、過去の実績などから、この仕事に適しているかを見極める。
ただし、能力だけでは不十分だ。

状況

すでに他の業務で手一杯になっていないか、今どんな業務にどのくらい負荷がかかっているか、といった状況もあわせて考える必要がある。

任せ方の工夫と注意点

たとえば、「あの人はできるから」と無意識に仕事を集中させると、本人の疲弊だけでなく、チーム内の不公平感にもつながる。
逆に、「この仕事は初めてだが、今は比較的手が空いているし、成長の機会にもなるかもしれない」という観点から任せる判断もある。

また、任せることが必ずしも「任せきる」ことを意味するわけではない。
「相談がなかったから、きっとうまくいっているだろう」と思い込むのは危険だ。

状況に応じて伴走したり、こまめに声をかけたり、必要なときはサポートに回ることも、リーダーの大事な役割である。
このあたりの進捗管理については、章を改めて考える予定だ。

観察力と判断力が問われる

要するに、任せる相手を選ぶとは、単なる能力評価ではない。
チームの状況とメンバーの成長機会を見据えた観察力と判断力が問われる仕事なのである。

読者への問い

  1. 任せる際に、その人の現在の業務負荷を確認しているか
  2. できる人に仕事が集中しすぎていないか
  3. 成長機会としての任せ方を意識しているか
  4. 任せきりにせず、適切な伴走を設計しているか
  5. チーム全体のバランスを見た人選になっているか

次章予告

次章では、自分でやるのではなく「任せる」というリーダーの役割について考えます。

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