信頼は日常の小さな積み重ね
信頼関係というと、劇的な出来事や強烈な印象によって築かれるものと思われがちだ。殴り合って笑いあうなんて話はそうそうないからドラマになるのであって、実際は日々のささいなやり取りの中にこそ宿る。私はこれを「微差の積み重ね」と呼んでいる。
スティーブン・コヴィー氏の『7つの習慣』で提唱された「信頼貯金」を思い出す人も多いだろう。なかでも「相手を理解しようとする」「小さなことを大切にする」「約束を守る」。この三つを意識するだけでも、信頼は確実に育つと感じている。
あいさつは信頼の入口
たとえば「あいさつ」。私はこれをチームづくりの基礎中の基礎として大事にしている。
- 朝「おはようございます」と明るく声をかける
- 帰り際に「おつかれさまでした」「お先に失礼します」と言う
- 可能なら一言添える
ただそれだけだが、その一言に「私はあなたをちゃんと見ていますよ」というメッセージを込めている。
あいさつを返さない上司の体験
かつての上司の中には、こちらがあいさつしても返さない人がいた。あれは本当に気持ちが冷えた。だからこそ私は必ず、可能な限り笑顔で返すようにしている。笑顔のあいさつほど相手を安心させるものはない。たとえ作り笑顔であったとしてもだ。
雑談よりも確実な接点
コミュニケーションと言うと、リーダーからメンバーに積極的に話しかけろと言われたりする。が、組織の規模にもよるだろうが実際にリーダーがメンバー全員と雑談するのは難しい。だが、あいさつなら誰にでも、どんな日でも、ほんの数秒で気持ちを届けられる。
- 顔を見て
- 目を合わせて
- 声をかける
それだけでよい。「部下から先にするものだ」などと構える必要はない。
あいさつが育てる関係
あいさつから話しかけやすさが生まれ、相談や報告のハードルも下がっていく。人と人の関係を育てる、最もシンプルで確実な行為があいさつなのだ。
読者への問い
- 毎日、誰にどんなあいさつをしていますか?
- 笑顔で目を合わせていますか?
- あいさつを「作業」にしていませんか?
- あいさつが関係性を変えた経験はありますか?
- 自分から声をかけることを惜しんでいませんか?
次章予告
👉 次章は、会話の技術論「声」についてお話しする。
