「まず相手の話を聴く」は、やさしさだけの話ではない。
リーダーが正しい判断に近づくためのプロセスだ。
現場の声は一次情報
現場で何が起きているか、どこにズレがあるか、誰が何に引っかかっているか――。
リーダーが自力で把握できる範囲には限界がある。
だからこそ、一次情報としての現場の声に耳を澄ませる必要がある。
私自身もしばしば、部下の一言で自分の思い込みに気づかされる。
もし先に自分の結論を言っていたら、その情報は出てこなかっただろう。
判断材料の収集と更新
言い換えれば、傾聴とは判断材料の収集と更新である。
事実だけでなく、違和感や空気感といった言語化しづらい兆しを拾う。
そうした弱いシグナルが、方針修正の引き金になることもある。
実務で効かせる二つの工夫
傾聴を実務に効かせるには、最低限次の二つを守りたい。
- 先に結論を置かない。
こちらの見立てを最初に言ってしまうと、以降の情報はそれに合わせて“整えられて”しまう。 - 反証材料を探す。
自分の仮説に都合の良い話だけを集めず、あえて食い違いを確かめる。
説明責任を支える「聴く姿勢」
時間は限られている。
それでも「この判断は、現場の声を聴いたうえで決めた」と自分に言えるかどうか。
その積み重ねが、後の説明責任を支える。
聴くことは相手のためであると同時に、自分の判断の質を上げるための行為でもある。
だから今日も、まずは聴くことから始めよう。
読者への問い
- 現場の一次情報を直接聴いていますか?
- 現場の一次情報を聴く前に結論を出していませんか?
- 自分の仮説を疑う問いを持っていますか?
- 都合の悪い情報を、無意識に排除していませんか?
- 「この判断は聴いた上で決めた」と言えるものはありますか?
次章予告
👉 次章は、「話を聴く勇気」について考えていきます。
