かつて“平社員”だった頃、打合せや会議で「この点、大丈夫かな…」と感じながらも、場の空気にのまれて言い出せず、そのまま話が進んでしまうことがあった。特に、話がまとまりつつある局面では「いまさら言いづらいな」と思って飲み込んでしまった。
そんなとき、リーダーからのひとこと――
「何か気になることはある?」
「やるとしたら、どこに不安がある?」
こうした問いかけは、とてもありがたかった。声をかけてもらえるだけで発言のきっかけが生まれ、安心して思っていることを口にできる。場を開く問いかけは、リーダーの大事な役割の一つなのだ。
問いかけは、自分のためでもある
問いかけは、メンバーのためだけではなく、リーダー自身のためにもなる。
私たちはつい、自分の知識や経験から「最適解」を出そうとしがちだ。ベテランになればなるほどその傾向は強まる。
だが、現場で起きている細かな情報や変化は、メンバーの方がずっと詳しいことも多い。だからこそ、問いを投げてみる。
- 「他に見落としていることはない?」
- 「これで大丈夫かな?」
- 「どう、できそうか?」
こうした問いを重ねておくことで、自分の思い込みや視野の狭さに気づける。問いかけは、リーダーにとって判断の安全弁でもあるのだ。
問いは、思考を動かす
指示や助言だけでは、相手の思考は止まってしまう。
一方で、問いを投げかければ、相手は考え始め、自分の中の答えに向き合い始める。
つまり、リーダーの問いかけとは、相手のためでもあり、自分のためでもある。
日常的に「どう思う?」で場を締めくくる習慣を持つだけで、チームの会話は大きく変わっていくはずだ。
読者への問い
- 会議の最後に、意見を引き出す問いを投げていますか?
- 自分の結論で場を閉じていませんか?
- 「言いづらい空気」を作っていないでしょうか?
- 問いかけが判断の質を高めた経験はありますか?
- 最近「どう思う?」「これで大丈夫かな?」と聞いた場面を思い出せますか?
次章予告
👉 次章では、「沈黙」について取り上げます。
