第五部 リーダーのコミュニケーション 第58章 数字で説明するクセをつける

コミュニケーション

感想ベースでは不十分

「お客さんの反応はよかったです」
「全体的には順調だと思います」

こうした“感想ベース”の報告は多い。だが、ビジネスにおけるコミュニケーションには、もう一歩踏み込んだ エビデンス が必要だ。そして、そのエビデンスはできる限り 数字で語る ことが前提になる。これはチームメンバーに対してそのように指示すべきだし上司に対する報告でも同様だ。

数字で規模感を共有する

たとえば、こう問い返す。

  • 「お客さんの“反応が良かった”って、アンケートは取った?」
  • 「順調って言うけど、達成率で言うと何%ぐらい?」

数字で答える習慣を持てば、メンバーは自分の仕事を定量的に把握できる。さらに、会話の土台となる「規模感」を共有できる。

手応えや感触は人によって違うが、数字はそのばらつきを抑え、認識を一致させる。数字で語ることは、そのまま 信頼感 につながるのだ。

説得力を生む数字の力

「◯件中◯件成功した」
「前回より◯日早く終わった」
「売上目標の◯%まで到達した」

――数字に置き換えるだけで、言葉の精度と説得力は大きく変わる。
もちろん、その数字の 根拠 も確認しておきたい。サンプル数が少なすぎないか、調査時点が古すぎないか、といった点だ。

データがなくても工夫できる

ドンピシャの定量的データがない場合でも、参考となるデータで規模感を示す工夫はできる。

例:
「現時点ではデータはありません。ただし同じ人口規模の地域では〇〇%が☓☓というデータがあります。我々のターゲット地域も同様の可能性が高いです。」

こうした伝え方でも、会話の精度と納得度は高まる。

リーダー自身も「数字で」

この“数字で語る姿勢”は、チームメンバーへの指導だけでなく、リーダー自身が上司と会話するときにも不可欠だ。

「部下には数字で説明させるのに、自分は感覚で話している」――では説得力がない。
数字で語れることは、単なる報告技術ではなく、結論の正しさを担保するプロセス なのである。


読者への問い

  1. 「順調」「よかった」を数字で言えますか?
  2. 規模感を共有できていますか?
  3. 数字の根拠を確認していますか?
  4. 定量データがないときの代替策を持っていますか?
  5. 自分自身が数字で説明していますか?

次章予告

👉 次章では、会話における「相手を見る大切さ」について取り上げます。

タイトルとURLをコピーしました