第三部 決断する力 第29章 経営層と現場の板挟み ─ それでもチームを動かすために

決断する力

現場から出る不満の声

「なんで本社はそんなこと言うんですか?」
「それ、現場の状況わかってないですよね?」

リーダーであれば、一度はこうした声を部下から聞いたことがあるはずだ。
経営層の判断と現場の感覚がズレることは避けられない。立場も視点も違えば、見えている課題も解決策も違って当然だからだ。

最終判断は経営層にある

結論から言えば、最終判断は経営層にある。
組織で働く以上、決まった方針には従うのが原則だ。

しかし「上が言っているからそうしよう」だけでは、部下の納得は得られない。
モチベーションが下がり、結果として行動も鈍る。

重要なのは「目的の読み解き」

ここで大事なのは、「何のためにその方針が示されたのか?」を考えることだ。

上司(=経営層)は、どんな課題を感じ、どんな変化を求めてその判断をしたのか。
その背景にある問題意識に思いを馳せる。

目的を一段深く掘り下げていけば、
「だったら、こういう進め方なら現場も動きやすい」という代案も見えてくる。

手段は後から考えればよい。まず考えるべきは目的の本質だ。

リーダーの翻訳力がチームを動かす

リーダーの役割は、経営層の意図を自分の言葉で解釈し直し、現場に合った形に翻訳して伝えることだ。

さらにメンバーの意見や工夫を取り入れながら実行可能な形に整える。
そのプロセス自体が現場の納得を生み、チームを動かす力になる。

「なぜ、それをやるのか?」
「なぜ、それをやらないのか?」

この問いに答えられるリーダーだけが、理不尽に見える指示でさえも意味ある行動に変えられる。
それが、中間管理職に求められる力量である。

読者への問い

  1. 経営層の方針を単なる指示として伝えていませんか?
  2. 方針の背後にある目的を理解していますか?
  3. 現場に適した形で翻訳して伝えられましたか?
  4. メンバーの意見を取り入れつつ実行可能に整えられましたか?
  5. 理不尽な指示でも意味のある行動に変えられましたか?

次章予告

コラムを挟んで、次章では、中間管理職の役割葛藤について考えます。

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