判断を迫られる瞬間
トラブルが起きた。上司は不在。
チームメンバーはこちらを見て、判断を待っている。
――こんな状況は、ビジネスの現場では決して珍しくない。
しかも、判断に必要な情報がそろっていないことも多い。
むしろ「悪いこと」というのは、事態がよく見えないまま突然やってくるものだ。
基本の構え
基本スタンスはこうだ。
「情報がそろえば1秒で決められる。だからまず情報収集。」
しかし現実には「それでも今、決めてくれ」と迫られる局面がある。
そんなとき、私が心がけていることは二つある。
心がける二つのポイント
一つ目は、「最悪を避ける」こと。
どんなに不確かな状況でも、「これをやったら取り返しがつかない」という最悪の事態だけは必ず回避する。
たとえば、システム障害で原因が特定できないときは「まず影響範囲を広げない」ことを第一に決める。原因究明は後でもいいが、被害拡大は待ってくれないからだ。
二つ目は、「あとで修正できるようにしておく」こと。
完璧な判断はできない前提で、リカバリー可能な選択肢を取る。
間違っていたと気づいたときに、戻れる・直せる・言い訳できる――その余地を残しておく。
冷静に「よりマシな一手」を
この二つを頭に置いておくだけで、いざという場面でもパニックに陥らずに済む。
完璧を目指すのではなく、冷静に「よりマシな一手」を打つ。
それが、情報が不足している場面でのリーダーの判断の作法だ。
読者への問い
- 十分な情報がない中でも最悪の事態を避ける判断をしましたか?
- あとで修正可能な選択肢を意識できましたか?
- パニックに陥らず、冷静に「よりマシな一手」を選べましたか?
- 限られた情報でもリーダーとして行動できましたか?
- 不完全な情報を前提に、チームに適切な指示を出せましたか?
次章予告
次章では、この第3部全体を振り返り、リーダーにとって大事な役割である「決断」について整理します。

