第四部 決めたら、動かす 第35章 作業に落とす、というリーダーの仕事

実行とチームマネジメント

決断から実行へ ― 作業に翻訳する

決断を実行に移すには、ただ「やろう」と言うだけでは足りない。
チームが動けるようにするためには、具体的な作業の形にまで“翻訳”することが必要だ。

リーダーの頭の中には「こういう結果を目指したい」というイメージがある。
しかし、それを共有し実行に移すには、「誰が・何を・いつまでに」やるのかまで落とし込む必要がある。

期限と具体性 ― 作業が止まらないための2つの条件

ここで欠かせないのが次の2点だ。

  • すべての作業指示には「期限」をつけること
  • 「抽象的な言葉を避ける」こと

この2つが欠けていると、仕事はほぼ確実に止まるか、誤った方向に進んでしまう。

  • 期限がない依頼 → 「急がなくてよい」と解釈され後回しにされる
  • 抽象的な依頼 → 何をやればいいか伝わらず、結局動かない

指示を刻む ― チームが動きやすくなる工夫

たとえば「来月中にサービスの改善案をまとめる」だけでは、ほとんど動き出さない。

そんなときはこう刻む。
「○日までに各メンバーから課題を3点ずつ挙げてもらい、○日に集約して全体検討する」

こうしてスケジュールを細かく区切って指示することで、チームは動きやすくなる。
「うちのメンバーは動きが悪い」と嘆く前に、リーダーが設計を工夫することが先だ。

誰に・何を・いつまでに ― リーダーの難題

とはいえ、「誰に・いつまでに・何を任せるか」を決めるのは簡単ではない。

  • メンバーの力量
  • 抱えている仕事の量
  • そのときのコンディション

これらを見極めないと、無理な負荷をかけたり、逆に力を活かしきれなかったりする。
リーダーにとっては日々頭を悩ませる作業だ。

だが、この「作業の具体化」がなければ、進捗管理もトラブル対応もできない。

実行力とは「行動させる力」

実行力とは、ただ自分が行動する力ではない。
チームを行動させる力だ。

そのためには、リーダーが「実行可能な作業」へ導き、自然とチームが動ける設計を作ることが欠かせない。
決断の力と実行の力――このふたつをつなぐのが、「作業に落とす力」である。

決断を実行可能な作業に翻訳するための読者への読者への問い

  1. 指示に「誰が・何を・いつまでに」が明確に入っているか
  2. 抽象語(検討・調整・対応)だけで指示していないか
  3. 期限のない依頼を無意識に出していないか
  4. 作業の区切りが進捗確認できる粒度になっているか
  5. 作業化によって進捗の見える化ができているか

次章への予告

次章では、チームに役割を割り振るにあたり、メンバーと共有すべき「アレ」について考えます。

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