動き始めの一手
物事が動き始める瞬間と、進みかけた流れが停滞しそうになる瞬間。
どちらも、リーダーが自ら動くことが求められるタイミングだ。
初動においては、リーダーが率先して動くことで業務のスピードに“加速度”が加わる。
部下は「どこから手をつければ…」と戸惑う場面もある。
自転車をこぐのと同じで、最初のひとこぎには大きな力がいる。
しかし、一度動き出せばリズムに乗って回り始める。
だからこそ、最初の一手こそ、リーダーが踏み出すべきなのだ。
壁にぶつかったときの役割
いったん動き出したプロジェクトが壁にぶつかりかけたときも、リーダーの出番である。
たとえば、他部署や外部との調整。
部下が丁寧に説明しても、「それはそっちの都合でしょ」と片づけられてしまうことがある。
特に利害や温度感が異なる相手との交渉は、担当レベルでは突破が難しい局面もある。
そこにリーダーが出て、
「この件は私の責任で進めるのでお願いします」
とひと言添えるだけで、状況は一変することがある。
相手も“これは組織の意思だ”と受け止めるようになり、交渉の土俵が整う。
一歩踏み出す効果
私自身、ほんの5分の電話やひと言のメールで、滞っていた案件が一気に動き出した経験が何度もある。
必要なら自ら出向く。
「任せたから、あとはよろしく」ではなく、
「止まりそうになったら、また私が出る」。
そんな構えを持っておくことが、信頼と安心につながるのだ。
読者への問い
- 外部交渉や重要調整を安易に部下任せにしていないか
- 初動や山場で、自分が前に出る判断ができているか
- 自分が動く意味をチームに示せているか
- 育成と成果のバランスを考えて動いているか
- 「ここは自分の仕事」と引き受ける覚悟があるか
次章予告
次章は、進捗が思うようでない場面におけるリーダーの在り方についてお話します。

