第二部 目的と成果のマネジメント 第12章 変化は成果の種 ─ プロセスを捉えてチームを動かす

目的と成果のマネジメント

成果は数字だけでは測れない

成果とは、いつも明快な数字で現れるわけではない。
とくに変化の途中にあるチームでは「目に見える成果」よりも先に「何かが動き始めた」という兆しが現れる。
それを見逃さず、方向づけること──これがリーダーの大事な仕事だ。

小さな兆しを捉える

目標に向かって進む中で、チームメンバーの行動に小さな変化が生まれることがある。
たとえば、会議での発言が前向きになったり、以前は報告が遅れがちだったメンバーが自ら進捗を伝えてきたり。
こうした“兆し”は、成果の手前にある重要なプロセスの一部である。

リーダーの役割は方向づけ

リーダーとして求められるのは「その変化は、目的に向かう正しいベクトルに沿っているか?」を見極める視点だ。
そして、「その方向でいい」というフィードバックを与えることが、チーム全体の方向性を安定させる。
これは単なる“やる気の引き出し”ではなく「このままでいいのか?」という現場の不安を解消する行為でもある。

方向づけが行動を加速させる

方向の不確かさが続けば、人は手を止める。
逆に、「その取り組みは目的に資するものだ」と示されれば、確信を持って次の一歩を踏み出せる。
これは個人にも、チーム全体にも当てはまる。

変化に意味を与えるリーダー

つまり、リーダーは成果の有無だけでなく、変化の方向と質を観察し、そこに意味づけを与える存在でなければならない。
「数字が出ていないからダメ」ではなく、「数字にはまだ現れていないが、方向は正しい」と言えることが、現場の実行力を支える。

変化マネジメントがプロセス管理の核

変化は、チームが目的に向かって動き出した証拠だ。
その動きを見逃さず、必要に応じて方向修正し、継続を促す。
目標達成に向けたプロセス管理の中核は、こうした“変化のマネジメント”にある。

読者への問いかけ

  1. 数字が出る前の“兆し”を観察し、評価に反映しているか。
  2. メンバーの行動変化を「目的に沿った動き」として承認できているか。
  3. 変化の方向と質を見極め、的確なフィードバックをしているか。
  4. 「まだ成果は出ていないが方向は正しい」と伝えられているか。
  5. チームの変化を成果へのプロセスとして語れているか。

次章予告

次章では、いよいよ変化を感じ取るための留意点を語りたい。

タイトルとURLをコピーしました