主体的な報告がチームを動かす
前章では、チームメンバーを観察し声をかける重要性を述べた。
一方で、上司に催促されなければ報告が上がらない状況は、マネジメント上改善の余地がある。
中間管理職は、部下から報告を受ける立場であると同時に、自分の上司に報告する立場でもある。だからこそ、「求められる前に動く」姿勢が欠かせない。
主体的な報告がもたらす三つの効果
主体的な報告には少なくとも三つの効果がある。
- 情報の鮮度を保てる
早い報告ほど、上司は多くの選択肢から次の一手を決められる。 - 判断のタイミングを逃さない
予定変更や追加リソース投入が必要な場合、早期報告が決定的な差を生む。 - 信頼が積み上がる
求められる前に情報を出す姿勢は、「任せても大丈夫だ」という評価に直結する。
私の失敗談と学び
私自身、かつては上司への報告が遅れがちだった。特に自分の判断で処理できると思った案件は、結果が出てから報告することが多かった。
だがその間に状況が変わり、上司から「なぜ早く言わなかったのか」と指摘されたことが何度かあった。
もし進捗や課題をこまめに共有していれば、変化に対しもっと早く打ち手を打てただろうし、自分の評価も上がっていたはずだ。上司というものは、部下に任せた仕事がどうなっているか不安なものだ、と自分が管理職になって初めて実感した。これは反省である。
報告は「義務」ではなく「戦略」
報告は義務だからするのではない。
- 自分の判断の幅を広げる
- 手戻りを防ぐ
- チームの動きを滑らかにする
- 信頼を獲得する
これらを実現するために行うのだ。だからこそ「〇〇の件で進捗を報告したいのでお時間いただけますか」と、自ら声をかける習慣を持つべきだ。
という訳で、私はチームメンバーに「上司(私に限らずどこの職場でも)が忙しそうでも遠慮せず報告せよ」と伝えている。これは、役職を問わず、信頼される社会人であり続けるための基本姿勢なのだ。
問い
- 上司に求められる前に、進捗や課題を自発的に共有しているか。
- 報告の目的を「信頼の蓄積」として意識しているか。
- 状況変化を早く伝え、上司の判断を支援しているか。
- 小さな進展や懸念も「相談」として早期に持ち上げているか。
- チーム全体に「報告は待たずに動く」文化を広めているか。
次章予告
次章も引き続き「報告」について取り上げる。

