報告したいが、声かけていいのか問題
前章では「進捗状況は上司から聞かれる前に報告するのが基本だ」と述べた。
これは揺るがない前提であり、報告は求められてからではなく、自ら行うのがプロの姿勢だ。
ただ現実には、「課長が忙しそうで、声をかけにくくて……」という部下の声も少なくない。
在宅勤務やタイムシフト勤務が広がった今、上司との距離を感じやすく、報告のタイミングをつかみにくい心理的ハードルは確かに存在する。
声をかけやすい雰囲気をつくる工夫
だからこそ、リーダーの側から「声をかけやすい雰囲気づくり」を意識的に行う必要がある。
- 軽い声かけを習慣化する
13章で触れたように、進捗確認のための「前回から状況は動いた?」といった一言は、情報共有になるだけでなく、部下自身の振り返りの機会にもなる。 - 「報告はいつでも歓迎」という空気を示す
「今ちょっと話せるよ」や「時間あるときに報告してね」といった言葉が、部下の迷いを取り払う。前にも書いたが、私は「私が忙しそうなときも報告したい案件があったら遠慮せずに声をかけて欲しい。どうしても話が聞けないときは、明日聴くよ、と言うから。」と部下に伝えている。 - 態度で示す
何より大切なのは、声をかけられたときに必ず相手の顔を見て応じることだ。PC画面から目を離さず生返事をすれば、部下は「話しかけるのはやめよう」と心を閉ざしてしまう。
リーダーの態度が報告の質を左右する
報告のされやすさを言葉と態度でつくるのだ。
進捗が見えにくい時代において、リーダーの一言と姿勢は、情報共有の精度と速度を大きく左右する。
特に、交渉が芳しくないなど「報告しにくい内容」こそ、いち早く共有されるチームでありたい。
声をかけやすい空気を整え、報告を歓迎する態度を持つこと――それが、部下の主体性を引き出し、組織の動きを滑らかにするカギである。
そうすると「そんな細かいこといちいちオレに報告しなくていいよ」というような案件も部下からの報告に含まれてくるだろう。でも、その感想は口に出さない方が良い。その主な理由は前章と本章を読んでいただいたあなたならお分かりいただけるだろうが、付け加えると、そもそもあなたのその直感がホントに正しいのか?聴いてみないと分からないからだ。
読者への問い
- 部下が気軽に声をかけられる雰囲気を意識的に作っているか。
- 忙しいときでも、報告の声かけには顔を向けて応じているか。
- 「報告はいつでも歓迎」と言葉で伝えているか。
- 軽い声かけで部下の状況を確認する習慣があるか。
- 嫌な報告こそ早く上がるチーム文化を築けているか。
次章予告
次章は、話題を変えて、進捗管理のラスボス「締め切り」について取り上げる。

