第二章 目的と成果のマネジメント 第19章 計画変更の分かれ道 『その場しのぎ』に逃げるか、『目的』に立ち返るか

目的と成果のマネジメント

計画変更の場面での二つの選択肢

計画の変更を迫られるとき、リーダーにはふたつの選択肢がある。
ひとつは、「とにかく進めること」を最優先して、その場しのぎの対応を積み重ねる道。
もうひとつは、「そもそも、我々は何を達成しようとしていたのか?」という問いに立ち返る道だ。

後者を選ぶこと。これが、リーダーの責任である。
実は、変化の中で見失われがちなのが「目的」だからだ。

計画は目的を実現するための道筋にすぎない

計画とは、目的を実現するための道筋にすぎない。
状況が変われば、道も変わる。それ自体は自然なことだ。

だが、その変更が、組織の存在目的に照らして 「本当に意味のある方向なのかどうか」 は、常に確認されなければならない。

目的に立ち返れば、計画の再構築にブレがなくなる。
関係者に対しても、「なぜ方針を変えるのか」「なぜこのやり方を選んだのか」を筋道立てて説明できる。

むしろ、目的を軸に語られた計画変更は、信頼感を高めるきっかけにさえなる。

目的を共有できるチームは強い

私はこれまで、いくつかのプロジェクトで途中の方針転換を経験してきた。
外部環境が変わり、当初の進め方が通用しなくなったとき、必ずメンバーに投げかける言葉がある。

「今の状況で、このやり方が、目的達成に一番効果的と思うか?」

この問いを共有できるチームは強い。
逆に言えば、日ごろから目的を共有していないと、この問いに対する議論ができない。

軌道修正は敗北ではなく再選択

軌道修正は、妥協でも敗北でもない。それは、目的に近づくための再選択だ。

だからこそ、変更に際しては必ず、「この選択は、私たちの本来の目的に資するか?」 という軸に立ち返る習慣を持ちたい。
目的にはこだわる、が方法や手順に対しては柔軟でありたい。

読者への問い

  1. 計画変更時に「そもそも何を達成するためか」を再確認しているか。
  2. 目的に照らして方針転換の妥当性を説明できるか。
  3. チームで「この方法は目的に近いか」を議論できているか。
  4. 方針転換を「軌道修正」として前向きに伝えているか。
  5. 判断や再設計のすべてを「目的」を軸にして行っているか。

次章予告

次章では第二部のまとめとして、目的に向かうマネジメントの全体像を振り返ります。

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