前進の実感を確かめる必要性
前章は、高い目標を掲げること自体に意味があるという話だった。
目標を掲げ、どうすれば実現できるかを考え着手したら次に必要なのは「いま自分たちはどこまで来ているか」を確かめることだ。
つまり、前進しているという実感である。
確認するときに意識する三つの視点
私は進捗や成果を確認するとき、次の三つを意識している。
一つ目 — 成果の定義が曖昧になっていないか
一つ目は「成果の定義が曖昧になっていないか」。
目標は掲げた時点では勢いがあるが、時間が経つと「何を目指していたのか」がぼやけることがある。
たとえば「関係機関との連携強化」という目標なら、連携が強化されたとはどんな状態か。
何が起きたら「達成」と言えるのか──リーダーはその基準を部下と共有しておく必要がある。
二つ目 — 変化が起きているか
二つ目は「変化が起きているか」。
目標が行動を変え、行動が周囲を変え、結果として成果につながる。
この連鎖のどこかが止まっていないかを見極める。
数字だけで成果を追うとプロセスが軽視されがちだが「何が動いたか」を丁寧に見ることで、取り組みを正しく評価できる。
三つ目 — 軌道修正できる柔軟さ
三つ目は「軌道修正できる柔軟さ」。
すべてが計画通りに進むわけではない。相手の事情、外部環境、内部要因──
うまくいかない要因を責めるより、「ではどう前進するか」を考える方が建設的だ。
このとき重要なのは、最初の目標にこだわりすぎないこと。
手段は柔軟に、目的に忠実に、だ。
前進の実感がチームにもたらすもの
前進の実感があれば、チームに手応えが生まれる。
うまくいかない時期でも「やるべきことはできている」「少しずつ動き始めている」と感じられれば、空気は沈まない。
逆に、方向性も基準もない状態では「やっても意味がない」という空気が漂い始める。
見える化・言語化・対話で軌道を整える
だからリーダーは、動きの見える化、言語化された成果の定義、現場との対話による修正を惜しまず行うこと。それが、ただの目標管理で終わらせず「前進するチーム」をつくるコツだ。
読者への問いかけ
①チームで「成果とは何か」の定義を明確に共有しているか。
②成果を「数字」だけでなく「行動変化」や「周囲の反応」で捉えているか。
③定期的に進捗を見える化し、手応えを共有できているか。
④計画通りにいかない時、「なぜできないか」より「どう前進するか」を議論しているか。
⑤目標に固執せず、目的に照らして柔軟に軌道修正できているか。
次章予告
次章から進捗管理の三つの視点について深堀りしていきます。まず、「成果の定義」についてさらに深く取り上げたいと思います。

