第五部 リーダーのコミュニケーション 第51章 怖れずに聴く――聴くときに直面する”不都合な話”

コミュニケーション

「傾聴」と聞くと、やさしさや包容力をイメージする人も多い。
しかし実際には、傾聴には勇気がいる

聴くときに直面する“不都合な話”

相手が話そうとしている内容には、ときに次のようなものが含まれる。

  • リーダーへの不満や苛立ち
  • 組織への批判や問題提起
  • 言いにくい本音

つまり、聴く側にとって「不都合」な話が出てくることもある。

だから人はつい――

  • 「それはいいから要点だけ」と打ち切る
  • 先回りして自分の見解を話してしまう

といった行動をとりがちだ。
これは実は、“聴くことへの怖れ”の裏返しなのかもしれない。

逃げずに受け止める

部下が言いにくそうに話を切り出す場面――多くのリーダーにとって身構える瞬間だろう。

だが、そういうときこそ意識して

  • 逃げない
  • まずは受け止める

を自分に言い聞かせたい。

なぜなら、相手の話を途中で遮ったり避けたりすると、それだけで信頼は損なわれるからだ。

信頼は「受け止める勇気」から生まれる

自分が勇気を出して上司に伝えようとしたとき、途中で「それは違う」と流されたら――次からはもう話そうと思わないだろう。だが、思い出してほしい、そういう上司って結構いるものだ。

一方で、
「そんなことまで話してくれてありがとう」
と受け止めてもらえたなら、話した方は救われる。

話せる関係をつくるには、まずこちらが聴く勇気を持つことが前提になる。

問題から逃げても消えない

不都合な話を聴くのは怖い。
しかし、避けたところで問題は消えない。

むしろ隠せば隠すほど、後で信頼を取り戻すのは難しくなる。
「嫌な話も受け止めてくれる人だ」――そう思ってもらえることこそ、リーダーの最大の強みの一つになる。

だから今日も、まずは聴くことから始めよう。

読者への問い

  1. 不都合な話を前にしたとき、どんな反応を取りがちですか?
  2. 話を遮ってしまった経験はありませんか?
  3. 部下が言いにくそうにしているサインに気づいていますか?
  4. 聴くことへの「怖れ」は、何から来ていると思いますか?
  5. 「この人には話しても大丈夫」と思われていますか?

次章予告

👉 次章は、話を聴く際に有効な会話のパターンについてお話しします。

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