第五部 リーダーのコミュニケーション 第63章 それでも合わない人はいる

コミュニケーション

第5部では、リーダーのコミュニケーションについて繰り返し述べてきた。傾聴し、問い、背景を理解し、信頼を積み上げる。
それが基本であることは間違いない。

まずは努力する。これは前提だ。

だが、それでも合わない人はいる。

2:6:2は環境条件である

例えば、人が10人いれば、

  • 2人は自然と合う
  • 6人は普通
  • 2人はどうしても合わない

これはまぁイメージ的な話でこの比率自体は固定的ではないが、価値観、性格、テンポ、感情反応、言語感覚。論理以前に、人間的な相性がある。

それを自分の責任にしすぎない

真面目なリーダーほど、

「自分の関わり方が悪いのではないか」
「まだ努力が足りないのではないか」

と抱え込む。

しかし、相性の問題まで自責にすると消耗する。
それはチームにとってもよくない。

割り切るという設計

どうしても合わないと判断したら、以下のような割り切りに移ってよい。

・業務上必要な接点に限定して接する
・役割と成果で評価する
・過度な心理的接近を求めない

人間的に理解し合えなくても、最低限業務に支障がないように回す。

ただし、チームリスク水準なら別だ

ただし、以下のような業務に支障が出そうなら別である。

  • 業務が滞る
  • チームに悪影響が出る
  • ハラスメントに近い状態になる

なら、対処は個人の努力論ではなく組織課題になる。

その場合は、感情的に争うのではなく、事実を淡々と記録する。
組織のあるべき編成を判断するための材料である。

最後に

コミュニケーションは重要だ。だからこそ長々と書いてきた。
だが万能ではない。

努力はする。
しかし、合わない人はいる。

それを環境条件として受け入れ、必要なら割り切り、さらに必要なら組織に委ねる。

それが、消耗しないリーダーの姿勢である。

読者への問い

あなたは「合わない相手がいること」を、失敗ではなく自然なこととして受け止めているだろうか。

次章予告

次章では第五部コミュニケーション論全体を振り返ります。

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