第5部では、リーダーのコミュニケーションについて繰り返し述べてきた。傾聴し、問い、背景を理解し、信頼を積み上げる。
それが基本であることは間違いない。
まずは努力する。これは前提だ。
だが、それでも合わない人はいる。
2:6:2は環境条件である
例えば、人が10人いれば、
- 2人は自然と合う
- 6人は普通
- 2人はどうしても合わない
これはまぁイメージ的な話でこの比率自体は固定的ではないが、価値観、性格、テンポ、感情反応、言語感覚。論理以前に、人間的な相性がある。
それを自分の責任にしすぎない
真面目なリーダーほど、
「自分の関わり方が悪いのではないか」
「まだ努力が足りないのではないか」
と抱え込む。
しかし、相性の問題まで自責にすると消耗する。
それはチームにとってもよくない。
割り切るという設計
どうしても合わないと判断したら、以下のような割り切りに移ってよい。
・業務上必要な接点に限定して接する
・役割と成果で評価する
・過度な心理的接近を求めない
人間的に理解し合えなくても、最低限業務に支障がないように回す。
ただし、チームリスク水準なら別だ
ただし、以下のような業務に支障が出そうなら別である。
- 業務が滞る
- チームに悪影響が出る
- ハラスメントに近い状態になる
なら、対処は個人の努力論ではなく組織課題になる。
その場合は、感情的に争うのではなく、事実を淡々と記録する。
組織のあるべき編成を判断するための材料である。
最後に
コミュニケーションは重要だ。だからこそ長々と書いてきた。
だが万能ではない。
努力はする。
しかし、合わない人はいる。
それを環境条件として受け入れ、必要なら割り切り、さらに必要なら組織に委ねる。
それが、消耗しないリーダーの姿勢である。
読者への問い
あなたは「合わない相手がいること」を、失敗ではなく自然なこととして受け止めているだろうか。
次章予告
次章では第五部コミュニケーション論全体を振り返ります。
