ブログへの質問
前回の回答に対し、さらにこんな手厳しい突っ込みがありました。
感情で動かず、「実行するために」事実と条件を整理して上に提示するのがプロだというのは分かりました。しかし、冷静に分析を提示した結果、怒り狂う社長から『わかった、君に期待した私がばかだった。別のやつにやらせるから下がってよい』と見限られ、支店に左遷されたらどうするんですか? 結局それは、サラリーマンとして最大の『罰ゲーム』ではないですか?
この質問に対し、私はこうお答えしたいと思います。
理不尽な左遷は確かに辛い。しかし、それで終わりではありません。取るべき行動は4つあります。
① 正しい実務を果たして切られたなら、それは「社長の器」の問題である
まず冷静に振り返ることから始めてください。部長にも事の顛末を説明するなど、自分の社長への提示が本当に十分だったかどうか、感情的になりがちですがそこをこらえて謙虚に振り返る。このプロセスは非常に重要です。実際には説明者側に反省すべき点があることも少なくありません。
ただ、そのうえでもあなたが正確な事実と条件をしっかり整理して提示したにもかかわらず、社長が感情的に切り捨てたのだとしたら、それはあなたの器が足りなかったのではありません。「社長の器の問題」あるいは「経営判断の偏り」という可能性が大いにあります。他人の感情はコントロールできません。プロとして自分の役割を全うした結果なら、自分を責める必要は全くありません。
② 危険なトップからの「一時避難」は、決して恥ずかしいことではない
最近社会問題になった大手メーカーの例を引くまでもなく、理不尽で偏ったトップの近くに居続けることは、時に自分の心や経歴に致命傷を負うリスクを伴います。左遷されたとしたら、それは理不尽なトップというライオンの目の前から「一時的に避難できた」ということです。危険な場所から距離を置けたのだとすれば、それは恥ずかしいことではなく、むしろ幸運なリスク回避です。距離を置くのもひとつの戦略です。
③ 腐らずに「今の舞台」で実務を回し、逆転の機を伺う
左遷ですべてが終わったように感じるかもしれません。しかし成功のカギは、理不尽な被弾をすべてかわすことではなく、いかに素早く立ち直るかにあります。
左遷先の支店で腐ったり自暴自棄になったりせず、そこを自分の新たな舞台として実務を回し、淡々と成果を出し続ける。現場で存在感を示していれば、社長が交代して会社の空気が変わったときに、再び中枢へ引き上げられることも珍しい話ではありません。どんな舞台でも与えられた役を精一杯演じ切ることが、次への最大の布石になります。
④ 安易な転職は勧めないが、最終手段としての「カード」は持っておく
もし社長の偏った判断や会社の体質への不信感が拭えないなら、転職という選択肢もあります。ただ、一時の感情での転職はお勧めしません。私自身も「期待されないなら辞めてやる」と思ったことがあります。その感情のまま動くのが危険だと気づいたのは、ミドル層以上の管理職が外の世界で希望通りのポジションを見つけるのが、決して簡単ではないという現実を知ったからです。
ただし、行動すれば自分の環境は変えられるという事実だけは忘れないでください。今の舞台で踏ん張ってみる。それでも理不尽なライオンの檻の中に残り続けてメンタルという「致命傷」を負いそうになったら、その時は自ら檻を出る。転職は理想の舞台を探すためではなく、自分の心身を守るための「最終防衛線」として持っておく。それが現実的な生存戦略です。
この処方箋から導き出すおすすめの思考法
大切なのは、他人の評価に自分の人生の主導権を明け渡さないことです。会社人生は予定通りにいかないことばかりで、理不尽な現実も確かに存在します。それでも致命的でさえなければ、何かしらの道はあるものです。
今の場所で素早く立ち直って機を伺うにせよ、最終手段として外の世界に活路を求めるにせよ、プロとしての実力と誇りを失わずに歩み続ければ、そこに新たな道が見えてくると私は考えています。
