この章からは、チームを代表しての外部との交渉についての実践知を記していく。
協議・交渉は「勝ち負け」ではない
リーダーは日常的に、他部署や取引先との協議や交渉に臨む立場にある。ただ情報を伝えるだけでなく、相反する利害を調整し、現場の要望を実現するための折衝を担わなければならない。
そこで求められるのは「話のうまさ」ではない。「どこを譲れて、どこを譲れないか」「どう合意 を引き出すか」という戦略的な準備と、チームを代表し盾になる覚悟である。 協議や交渉の相手は、利害が完全に一致しているわけでも、完全に対立しているわけでもない。
「勝つ」ことを目的にすると、かえってこじれる。むしろ「落とし所を探る」という視点を持つことが重要だ。相手の立場や事情を想像しながら、冷静に着地点を模索したい。
譲れない一線を決めて臨む
交渉の成否は、事前準備で決まる。
「ここは譲れない」というポイントと、「ここは交渉可能」という余地を明確にし、「これが無理 ならこういう代替案もある」と整理しておくことが不可欠だ。
さらに、これらを事前に上司と共有し、チームとして意思統一をしておけば、現場で「即答すべ きか」「持ち帰るべきか」の判断もぶれずに済む。
リーダーは「チームの盾」となる
そしてリーダーが果たすべき役割は「チームの盾」である。ときには現場の状況を理解せずに無理な要求をしてくる相手もいる。そんなときこそリーダーが前に立ち、毅然と交渉し、現場の負 担を最小限に抑えることが必要だ。 その姿勢こそが、メンバーからの信頼につながり、結束力を高めるのだ。
交渉力の本質は「準備」にある
言葉のテクニックより、事前の準備が交渉を制する。譲れない一線と代替案を用意したリーダー は、相手に振り回されることなく、チームの利益を守り抜くことができる。
読者への問い
あなたは交渉に臨む前に、「譲れない一線」と「代替案」を明確にしていますか。
次章予告
次章は交渉の現場でどうするか、をとり上げる。
