部下が心身の不調に陥ったとき、課長はどう対応すべきか。これは、どんな職場でも避けて通れないテーマだ。
特に心的不調は、人間関係や業務のストレス、家庭の事情など、不調の背景はさまざまで、外からは見えにくい。そもそも「様子がおかしい」と気づくこと自体、難しい場合も多い。
もともと物静かな社員なら変化が見えにくいし、逆に明るく振る舞っている社員ほど、無理して元気に見せていることがある。腹痛で遅刻を繰り返すとか、同僚に「最近しんどい」と漏らしてくれるならまだ気づけるが、何のサインもなく突然休職に入るケースもある。
「眠れてる?」「食欲ある?」と聞く
観察と声がけは基本だが、課長が全員を日常的に見守るのは現実的には難しい。組織の規模にもよるが課長が係員一人ひとりと向き合う機会は限られる。
だから私は、課長が係員と定期的に直接面談する仕組みを持つべきだと考えている。いわゆる「1on1ミーティング」としてもよいが、形式より中身だ。私の場合は年3回ほど部下と面談を設定し、「最近眠れてる?」「食欲ある?」と聞く。実際、この面談の場で不調を打ち明けてくれた部下もいた。ただ、年3回では、その間に崩れたら正直なところ拾えない。それでも体調を含めた面談をしておくのは、「この課長には体調のことを相談してよい」という関係を築いておくためだ。毎月体調を聞かれるのも、部下にとっては嫌だろう。
私は医者ではないが、多くの場合眠れないほど悩んでいるなら、それは限界が近いというサインだと思っている。不調の兆しを感じたら、早めに産業医や人事担当への相談を本人に勧め、医療的なケアや専門的支援につなげることが大切だ。課長一人で抱え込まず、組織として対応する仕組みを活用したい。
係長は同席させない
また、この面談に限っては本人の上司である係長を同席させない形がいい。もし係長との関係に悩んでいる場合、同席されれば本音は出ない。直接の対話だからこそ見えてくるものがある。なお、係長自身も面談の対象である。
忙しくても、顔を合わせて
制度として定期面談を位置づけ、忙しい中でもそれをやるのが課長の役割だと私は思う。第118章で生み出した時間は、こういうことにこそ使いたい。
なお、この際書いておきたいが、私はWeb面談が嫌いである。顔色もよく分からないし、そもそも目線が合わせられない。ずっと見つめあう必要はないが、相手の目が泳いでいたり、ずっと伏し目がちだったり、そういうところを見たいのだ。が、Web面談ではそれができない。だから、この面談については直接面と向かって会う形で面談したいし、そうしてきた。第118章で「部下の健康状態の確認は直接面談に勝るものはない」と書いたのは、このためだ。
次章予告
次章では、パワハラ問題とどう向き合うかを考える。
読者への問い
あなたは部下に「眠れているか」「食べられているか」を、直接聞ける仕組みを持っていますか?
