第二章 目標と成果のマネジメント 第14章 上司に報告を求められる前に動け

目的と成果のマネジメント

主体的な報告がチームを動かす

前章では、チームメンバーを観察し声をかける重要性を述べた。
一方で、上司に催促されなければ報告が上がらない状況は、マネジメント上改善の余地がある。

中間管理職は、部下から報告を受ける立場であると同時に、自分の上司に報告する立場でもある。だからこそ、「求められる前に動く」姿勢が欠かせない。

主体的な報告がもたらす三つの効果

主体的な報告には少なくとも三つの効果がある。

  • 情報の鮮度を保てる
    早い報告ほど、上司は多くの選択肢から次の一手を決められる。
  • 判断のタイミングを逃さない
    予定変更や追加リソース投入が必要な場合、早期報告が決定的な差を生む。
  • 信頼が積み上がる
    求められる前に情報を出す姿勢は、「任せても大丈夫だ」という評価に直結する。

私の失敗談と学び

私自身、かつては上司への報告が遅れがちだった。特に自分の判断で処理できると思った案件は、結果が出てから報告することが多かった。
だがその間に状況が変わり、上司から「なぜ早く言わなかったのか」と指摘されたことが何度かあった。

もし進捗や課題をこまめに共有していれば、変化に対しもっと早く打ち手を打てただろうし、自分の評価も上がっていたはずだ。上司というものは、部下に任せた仕事がどうなっているか不安なものだ、と自分が管理職になって初めて実感した。これは反省である。

報告は「義務」ではなく「戦略」

報告は義務だからするのではない。

  • 自分の判断の幅を広げる
  • 手戻りを防ぐ
  • チームの動きを滑らかにする
  • 信頼を獲得する

これらを実現するために行うのだ。だからこそ「〇〇の件で進捗を報告したいのでお時間いただけますか」と、自ら声をかける習慣を持つべきだ。

という訳で、私はチームメンバーに「上司(私に限らずどこの職場でも)が忙しそうでも遠慮せず報告せよ」と伝えている。これは、役職を問わず、信頼される社会人であり続けるための基本姿勢なのだ。

問い

  1. 上司に求められる前に、進捗や課題を自発的に共有しているか。
  2. 報告の目的を「信頼の蓄積」として意識しているか。
  3. 状況変化を早く伝え、上司の判断を支援しているか。
  4. 小さな進展や懸念も「相談」として早期に持ち上げているか。
  5. チーム全体に「報告は待たずに動く」文化を広めているか。

次章予告

次章も引き続き「報告」について取り上げる。

タイトルとURLをコピーしました