【コラム】知っただけで、学んだつもりになっていないか

学習、学び、成長

かつては「プレジデント」や「ダイヤモンド」といったビジネス誌が、管理職の情報源の定番でした。私も係長時代から手に取っておりましが。しかし、読んでるだけではなかなか頭に残りません。
最近はさらに手強い誘惑が加わりました。YouTubeのビジネスノウハウ動画です。インタビュー形式で著名人の話を聞けたりするわけですが、アルゴリズムが自分の興味に合わせた動画を次々と紹介されて、タイトルがこれまたよくできてて思わずタップしちゃいます。気が付くと、お気に入りのインタビュー番組を梯子で視聴し続けることがあります。大体は同じような話なのですが(笑)、たまに「おっ」という新しい話が出てくるので、またつい次の動画をタップしてしまう。そんなこんなで何時間も経っていた、という経験は誰にでもあるのではないでしょうか。で、最初に見ていた動画って何の話だっけ?みたいな。

「消費」と「学び」は違う

ノウハウ系・啓発系の動画や記事には、中毒性があります。新しい情報や刺激を受けると、脳が高揚感を覚えるからです。「なるほど」「そういう考え方があるのか」という感覚は心地よく、次の動画、次の記事へと手が伸びるようにできています。
しかしその高揚感は、翌朝には薄れている、内容なんて忘れてることがほとんどです。

情報を得ることと、学ぶことは別物です。情報の消費とは、新しい刺激を受けて満足することです。学びとは、得た情報を自分の文脈に引きつけ、行動を変えることです。
自覚的に学びに転換していかなければ、どれだけ動画を見ても、記事を読んでも、単なる時間の消費に終わります。心地よい高揚感の中で、時間だけが過ぎていく。これは私自身への、強い自戒でもあります。

では、どうするか

一つだけ習慣を提案します。
雑誌や動画で「これは使えそうだ」と感じたら、その場でメモに一行だけ書き留めてください。「何を知ったか」ではなく「明日、具体的にどう生かすか」を書く。それだけでいいです。私の場合は実際には第82章で述べたのと同じくルーズリーフを使っています。
書いた瞬間に、消費が学びに変わる入口に立てます。
前章で述べた概説書の通読は「笹飾りの笹を立てる作業」です。雑誌や動画は「この笹に短冊を結ぶ作業」として機能させる。そのために、使えそうだと感じたパーツをその場でメモに書き出し、実際に使えるように落とし込んでおく。その順番と使い分けを意識するだけで、情報の洪水に飲み込まれずに済みます。

雑誌には、アルゴリズムがない

ところで、雑誌には動画やネットニュースにはない強みがあります。アルゴリズムがないことです。YouTubeは自分の興味に合わせた動画を次々と届けてくれますが、雑誌はページをめくれば必ずしも興味のない分野の記事も目に入る。その想定外の出会いが、思わぬ気づきとなることがあります。この点についてはコラム「管理職になって日経キーワードを買ったら、知らない言葉だらけだった話」でも触れたところです。

知ることも使うことも

見聞きした知識やコツを現実に引き付け、実際に使うことを考えること。そしてデジタル時代だからこそ、アルゴリズムのないアナログな読み方の価値を見直してみること。自分への備忘録として書き留めておきたいと思います。

このブログでは『考え方やフレームワーク』を扱っています。『明日の現場で即使えるケーススタディ』をnoteで公開しています。当ブログでこれまで語ってきた「型」や「かまえ」を実際の現場場面にあてはめた問題集として読んでいただけます。→【noteはこちら】

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