第七部 リーダーの学び 第83章 研修制度を使い倒す

学習、学び、成長

サラリーマンの最大の特権

サラリーマンの特権のひとつは、会社が用意する研修制度を活用して成長できることだ。業務に直結する専門知識だけでなく、課長であれば、リーダーシップや部下育成、業務改善、経営視点、ファシリテーションといった一般的なカリキュラム、さらに行政や外部機関の学び直し研修なども対象になる。

参加費が高い外部研修やセミナーについても、会社に掛け合えば参加費を負担してもらえる可能性がある。若手リーダーやリーダー候補にとっては、自己投資と組織の支援を組み合わせて学べる絶好のチャンスだ。遠慮せず、積極的に活用してほしい。

研修が「人生観」を更新することがある

研修の価値は、業務知識の習得だけにとどまらない。思いがけない出会いが、自分の人生観そのものを更新することがある。

私自身、ある研修で「計画的偶然性理論(プランドハップンスタンス理論)」というキャリア論に出会い、深く共鳴した経験がある。正確に言えば、以前から漠然と感じていた社会観やキャリア観に、この理論がコンセプトを与えてくれた、言語化してくれた、という感覚だった。

この理論が言うのはこういうことだ。キャリアは計画して作るものではない。誰も自分の適性やチャンスをあらかじめ知ることはできない。だからこそ、意図的に様々な世界に飛び込んでみた結果として、後から「自分に合っているもの」が見えてくる。

思い返せば、社会人になったころは全く興味がなかった分野が、仕事を通じて学ぶうちに専門性になっていった経験がある。興味は、飛び込んだ先で「生まれる」ものだと、今では実感している。

誰も全ての情報を持ち得ないからこそ、自由な試行錯誤を通じて「何が自分に合っているか」が後から見えてくる。研修という場への積極的な参加は、その偶然の出会いを最大化するための、最も手軽な方法のひとつだ。

AIをはじめとする最先端の学びにも研修制度を使え

これからのビジネスにはICT、特にAIの活用が欠かせない。変化のスピードが速く、独学だけでは体系的に知識を更新するのは容易ではない。

10年前、ある研修で講師がこう言っていた。「皆さん、これからはスマホで何ができるか?からすべてを考える時代です」。当時は少し大げさに聞こえたが、今思えばその通りだった。そして現在はまさに「AIで何ができるか?からすべてを考える時代」だ。

最先端の情報を体系的に得るためにも、研修制度や学びの機会を意識的に活用する姿勢が重要だ。自分一人で追いかけるより、研修という場で体系的に学ぶ方が、圧倒的に効率がいい。

偶然の出会いを最大化するために、意識的に飛び込め

研修制度を「やらされるもの」と捉えるか、「使い倒すもの」と捉えるかで成長速度は大きく変わる。

計画通りにキャリアは進まない。だからこそ、意識的に学びの場に飛び込み、偶然の出会いを最大化する。組織の力を借りながら、自分の成長に結びつける。それがサラリーマンとして研修制度を使い倒す、本当の意義だ。

読者への問い

あなたは、研修や学びの場への参加を「やらされるもの」として受け身で臨んでいないだろうか。

このブログでは『考え方やフレームワーク』を扱っています。『明日の現場で即使えるケーススタディ』をnoteで公開しています。当ブログでこれまで語ってきた「型」や「かまえ」を実際の現場場面にあてはめた問題集として読んでいただけます。→【noteはこちら】

次章予告

次章は資格取得について取り上げます。

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