第七部 リーダーの学び 第79章 成功はゴールではなく、学びの通過点

学習、学び、成長

成功からも学びは生まれる

失敗から学ぶように、成功からもまた多くの学びがある。むしろ成功したときこそ、「なぜうまくいったのか」を振り返ることが、次の成長につながる。

私自身、忘れられない成功体験がある。誰もが難しいと思っていた大型案件を、担当責任者として動いて成し遂げたときのことだ。

結果だけ見れば、確かに成功だった。しかし冷静に振り返ると、その要因は自分の実力よりも、周囲の力と幸運の積み重ねだった。有能な現場の担当者、提案に賛成しシナリオ通りに動いてくれた上司、そして相手方の環境変化という、自分ではコントロールできない幸運が重なった結果だった。

では、私の役割は何だったのか。「いかに関係者を巻き込み、全体を動かすか」ただそれだけだったと言っていい。

成功が生む自信と過信

成功には、偶然や追い風といった要素が多分に含まれる。その中で「自分の判断のどこが良かったのか」「どこに改善の余地があるのか」を整理しておけば、次の挑戦に再現できる。

しかし成功体験は、自信と同時に過信を生む。「あのときうまくいったから、今回も大丈夫だ」という思い込みが、次の失敗の種になることは少なくない。

成功を自分の実力だと思い込んだ瞬間に、学びは止まる。

成功をチームの財産にする

成功したとき、リーダーがやるべきことがある。成果を独り占めするのではなく、チームの努力を認め、協力してくれた人に感謝し、実際に汗をかいた人を称えることだ。人事評価に反映することも、その一つだ。実際、あの大型案件でも、最前線に立った担当者の貢献を上司に報告し評価を求めた結果、翌年度に彼が昇進できた。成功そのものと同じくらい嬉しかった。

そして「なぜうまくいったのか」「誰がどう貢献したのか」を言語化してチームで振り返ることで、組織全体の学びが積み上がっていく。

成功は共有してこそ、次の成功への土台になる。

成功の要因を分解する習慣を持て

成功したとき、その要因を冷静に分解してみてほしい。どれだけが自分の実力で、どれだけが周囲のおかげだったのか。その問いに正直に向き合うことが、過信を防ぎ、関わった人への感謝を生み、次の挑戦への謙虚さにつながる。

失敗からだけでなく、成功からも学ぶ。その姿勢こそが、リーダーとしての力を育てていく。

読者への問い

あなたの最近の成功の要因を分解したとき、どれだけが自分の実力で、どれだけが周囲のおかげでしたか?

このブログでは『考え方やフレームワーク』を扱っています。『明日の現場で即使えるケーススタディ』をnoteで公開しています。当ブログでこれまで語ってきた「型」や「かまえ」を実際の現場場面にあてはめた問題集として読んでいただけます。→【noteはこちら】

次章予告

次章は、日常業務からの学びについて取り上げます。

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