第七部 リーダーの学び 第85章 第七部を振り返る

学習、学び、成長

この部で語ってきた学びの習慣は実はリーダーに限らずサラリーマン全般に当てはまる。しかしリーダーがこれをやるかやらないかでは、チーム全体への影響が違う。自分が成長することで、部下への指導の質が上がり、判断の精度が高まり、組織全体が前に進む。だからこそリーダーこそ学び続けなければならないのだ。

学びの根幹は経験にある

リーダーとしての学びの根幹は、現場での経験だ。失敗から学び、成功から学び、日々の業務の積み重ねこそが教訓となり自身の強みとなる。(第78章第79章第80章参照)

しかしその一方で経験だけでは足りない時代になってきているのも事実である。(第81章コラム「管理職になって日経キーワードを買ったら、知らない言葉だらけだった話」参照)

私自身、管理職になった時はこれまでの経験だけではどうしても足りなかった。このあたりの反省はこれまでもブログで記してきたとおりである。例えば、部下への任せ方、ほめ方、叱り方、上司の巻き込み方、これまでの経験だけで大丈夫か、自分に問うてみて欲しい。

まず笹を立て、そこに短冊を結べ

経験を補う学びの第一歩は、自分が携わる分野の概説書を一冊、腰を据えて通読することだ。これにより仕事の全体像をつかむのが目的だ。これに加え、新任リーダーの場合はチームマネジメント手法についても概説書を読んでおくとよいと思う。笹飾りの幹となる笹を立てるように、まず全体像を把握する。その上で、業界紙、業界誌やユーチューブ動画、日々のニュースを笹に短冊を結ぶように知識の枝葉として積み上げていく。第82章参照)

ただしその場合でも動画や記事を見ただけで満足してはいけない。知ることと学ぶことは別物だ。使えそうなパーツをその場でメモに書き出し、実際に使えるように落とし込む。そして使ってみる。その一手間が消費を学びに変える。(コラム「知っただけで学んだつもりになっていないか」参照)

会社の制度をしゃぶり尽くせ

研修制度も資格取得支援制度も、会社があなたの成長に投資してくれる仕組みだ。使わない手はない。

研修は業務知識の習得だけにとどまらない。思いがけない出会いが人生観を更新することがある。計画的偶然性理論(プランドハップンスタンス理論)が教えてくれるように、未知の世界に飛び込んだ結果として、後から「自分に合っているもの」が見えてくる。だからこそ、研修という場に意識的に飛び込み、偶然の出会いを最大化してほしい。(第83章参照)

また、資格取得は、会社に投資させる最高の自己投資だ。業務に直結する資格で専門性を高め、ファイナンシャルプランナー資格を学び人生全体に効く知識で生活の土台を作る。この2層で考えると、資格取得の意義はさらに広がる。(第84章参照)

勉強は未来への投資、一択だ

忙しい日常の中で「なぜさらに学ばなければならないのか」と感じる瞬間は誰にでもある。しかし勉強を「時間外労働」と捉えるか「未来への投資」と捉えるかで、数年後の姿は大きく変わる。

「やらされ感」でやるのではなく「自分を楽にするための投資」と考える。その姿勢の違いだけでも、積み重なれば複利が効いて後々大きな差になってくる。(コラム「勉強は「時間外労働」か「未来への投資」か」参照)

この部を貫く一本の軸

この部で語ってきたことを一言で言えば、こうなる。

「経験を土台に、地図を持ち、制度を使い倒し、投資の姿勢で学び続けよ。」

当たり前のことを続けるだけだが(それが難しいのはその通りなんだが)続けられれば1年後には大きな違いとなる。

部下の曖昧な報告に対して、自分の頭の中にある相場観と照らし合わせ、矛盾にいち早く気づき、的確に急所を突いて仕事を前進させる。同時に上司の意図を先回りし、正確な事実と条件を渡してその判断すらも戦略的に誘導する。どうすれば無駄に消耗せず、手戻りなく最速でタスクを終わらせられるか。そのゲームを、仕組みと会話の型を使って上下両方向でクリアしていく。

このレベルまで「ラク」を突き詰め、組織の目的達成に直結させることができれば、理不尽で過酷だった中間管理職の仕事が、自分自身でコントロール可能な「面白い知的ゲーム」へと変わっていく。それがこのブログの、いや、私自身の目標だ。

このブログでは『考え方やフレームワーク』を扱っています。『明日の現場で即使えるケーススタディ』をnoteで公開しています。当ブログでこれまで語ってきた「型」や「かまえ」を実際の現場場面にあてはめた問題集として読んでいただけます。→【noteはこちら】

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